2014年11月3日

ラグビー マオリ・オールブラックス対日本代表、第1戦を見て

2014年11月1日に日本の神戸でラグビーのマオリオールブラックス対日本代表の試合が行われつい先ほどインターネット上で録画されたものを再生して観戦しました。

試合の方は、61対21でマオリ・オールブラックスの勝ち。計8トライを献上しました。それでも日本も3トライ奪ってますね。2011年にニュージーランドで行われたワールドカップでは、オールブラックスと対戦し、確か83対7で負けてますので、それよりはダメージは少なかったと言えるでしょう。

これから、この試合及びマオリのチームに付いて幾つかの要点をお話ししたいと思います。

1. マオリオールブラックスとは?

マオリとはこちらの先住民族の名で、太平洋諸島系の民族。独自の言葉、マオリ語を持ち、西洋人が18世紀に来る前からこの地で暮らしています。で、このマオリ・オールブラックスに選ばれるには、先祖にマオリがいる事が証明されている事が必須条件。言わばNZ代表のBチーム的存在。確か去年くらいにも、マオリ・オールブラックスは来日して試合をしてるはず。今回Aチームのオールブラックスはアメリカ、そして英国に遠征中ですので、それと日程を併せてこの来日のツアーが企画されたのではないでしょうか。今回のこのマオリ・オールブラックスには、オールブラックスにまだ選ばれた事の無い、若手を集めた模様。若手選手の人材発掘と言った所でしょうか。

2. 日本代表の立ち位置

日本代表は、現在、世界ランキングで11位。これはそれほど日本の試合を見ていないので何とも言えないのですが、サッカーでもそうですがこの手のランキングの類いはあまり信憑性ありません。私の意見としては、このラグビーの世界ランキング、10位以降は入れ替わりが激しいものではないでしょうか。例えば、カナダは17位。確か2007年のワールドカップでは引き分けだった様な気が。また、アメリカは18位。前回2011年のワールドカップでは負けた覚えがあります。

ラグビーの世界では、強豪国、南半球の3カ国(NZ、オーストラリア、南アフリカ)プラスイングランドそしてフランスと言った所が現実的にワールドカップで優勝が狙える国々。そして2番手グループとして、ウェールズ、スコットランド、アイルランド、イタリア、アルゼンチンそして太平洋諸国(フィジー、トンガ、サモア)が続き、新興国として北米、日本等の国が続くといった感じではないでしょうか。

3. 試合寸評

前回オールブラックスとアメリカ代表の試合に関する記事でも書いた事なのですが、やはり日本も基礎の技術、パスの精度の差、ボールのハンドリング等でのミスが多く、自軍のミスからボールを奪われトライを決められてしまった事が数度ありました。どれだけ高度な戦術を採用し、実践しようとしてもこの様な簡単なミスで自滅してしまっては元も子もありません。

その戦術としては、闇雲にボールを蹴り出すのではなく、パスで繋いで攻めて行くという意図が感じられました。これはどちらかというと、南半球のオーストラリアやオールブラックスが伝統的に使うスタイルでそれににてるのではないかと感じました。一方、北半球のチームには、どんどん前方にボールを蹴り相手陣内に侵入して行く戦術を採るチームが多い様に感じます。

よく考えてみれば現在の日本のコーチ(ラグビー界では監督の事をコーチ、ヘッド・コーチと呼びます)はエディー・ジョーンズ、元ワラビーズ(オーストラリア代表)のヘッド・コーチでしたから、スタイルとして南半球的な要素が見受けられても不思議ではありません。

また、運動能力の個人差、こればかりは究極の所で埋めようが無いとは思いますが、この試合中、これを象徴するなシーンがありました。日本が相手陣内深く攻め込み、後少しでゴールラインだという所で、ボールがこぼれ奪われ、ニュージーランド選手の手に渡ります。日本は攻めに転じていたので急いでその選手を追いかけて走って行くのですが、ボールを持った選手にどんどん差を広げられます。そこで目にしたのは、そのボールを持った選手だけでなく、それをサポートに廻る他の二人の選手に、その追走していた日本の選手は抜かれてしまうんですね。いやあこれは屈辱でしょう、やってる側からしたら。自分も目を疑いました。それくらい個人の運動能力に差があるという事をまざまざと見せつけられた瞬間でした。

ただ悪い所ばかりではなく、スクラムでは、どういう訳か?圧倒していましたね。これには感動しました。

また、幾つものフェーズで継続的にパスを繋ごうとして攻撃を組み立てていました。フェーズとは、ボールを動かし始めてから的にボールを一度止められてしまうまでの時間帯の事で、相手との力の差があれば直にボールを奪われてしまうので攻撃にならず、フェーズ数は少なくなり、相手との力が拮抗していれば自ずとボール保持の時間も長くなりフェーズ数は増えます。例えばアメリカとオールブラックスの試合ではオールブラックスが圧倒していましたので、アメリカの立場からすれば、攻撃時にまるでフェーズの数としては少なかったのが見て取れます。

さて次回のワールドカップまで1年を切りました。また来週末にもう1試合、今度は東京で行われるそうなので、健闘を祈りましょう。

それではまた次回。