2014年1月2日

映画 The Harder They Come



クイーンズタウンは今日も雨模様で、気温も現在15°も無いと言った感じで何ともぱっとしません。

さて今回はまたお気に入り映画のお話。ここニュージーランドでもレゲエは確立した分野で、ニュージーランド出身の所謂レゲエバンド、ダブバンドも多く存在しますが、これから紹介する映画、『The Harder The Come』は1973年にリリースされた、初の世界的にヒットしたジャマイカ映画と言っても過言ではないでしょう。

70年初頭からボブマーリーがイギリスに紹介され、レゲエがロック等に並ぶ音楽の一分野として確立され始めた時期に登場したこの映画。

先ずは下のYouTubeからのトレーラーをどうぞ。





斜役を演じるのはジミークリフ。レゲエの世界ではその名を知られた人物。

Wikipediaでのジミー・クリフに関する記事へのリンク

物語のあらすじは、ジャマイカの田舎からやって来た夢見がちな犯行児のIvan、レゲエのシンガーになろうと最大の街キングストンにやって来ますが、ウブなため、到着早々持ち物全てを盗まれてしまいます。

やがて教会にお世話になりますが、そこの牧師の娘さんに手を出します。それと同時に、なんとか歌をレコーディングする契約も手に入れますが、ちっともぱっとせずお金にはならず、やがて麻薬の密売で一攫千金を手に入れようと奔走。

しかし物事思った様には行かず、警察に追われ、最後は西部劇さながらの警察、軍隊との銃撃戦で物語は終わります。

私がこの映画を知ったのは、音楽から。先ずはこの映画のサウンドトラックを聞いたのが初めだと思います。そして、タワーレコードかなんかで輸入版のビデオを偶然見つけて、買ってこれを見たという成り行きだったと思います。

映画が始まった瞬間から衝撃を受けたのを覚えています。

先ずは、目に飛び込んでくるキングストンの風景。それまでにインドやタイなど何度か旅していましたが、その時の経験に通じる、なんと言うか、貧しさと、熱気と湿気、街の混沌とした様子、まるで画面を通して臭いが伝わってくるような荒々しさ。

一方、そのビデオを観ている、自分のいる全てが整然と整頓された東京の全く正反対な、ある意味生気をなくした疲れ果てた繁栄した都会。

一気にこの映画の世界に引き込まれました。

そして、彼らの喋る言葉。本物のジャマイカ英語。今でも7割くらいしか何言ってるか分かりません。それに面白いのが、英語の映画なんですが、英語の字幕がついてる事。登場人物が明らかにいっぱい喋ってるのに、字幕は1行2行、『そんな訳ねーだろー、もっとなんか言ってんだろー』なんて思ってしまったのを覚えています。でも、物語自体は非常にシンプルですので、たとえ言葉が理解出来なくても、誰でも楽しめると思います。

後特筆すべきは、その音楽。なんと言うか、レゲエがまだ今我々の知るレゲエというものになる前の、スカからレゲエ生まれたばかり、ラスタの事を宗教的に歌い始める前の、音楽の持つ原始的初歩的なただの快楽、楽しみとしてのビートがそこにはあり、感覚として脳みそに入って来て、もう自然と体を揺らし始めてしまう。もう今まで何万回聞いたか分かりません。

このアルバムの中の私のお気に入りの曲は、
Sweet and Dandy
Shanty Town
Pressure Drop
とまあ、ジミークリフの曲は入ってないのが申し訳ないんですが。

それにしても、1970年代初頭は、映画と音楽、画期的で衝撃的な時代でしたね。幾つもの世に残ってる名作が誕生しました。ローリング・ストーンズ、レッド・ツエッペリン、ニール・ヤング、デヴィッド・ボウイ等、皆この時期が絶頂期だったと個人的には思っています。生まれるの遅すぎたな。

なにはともあれ、この夏(ニュージーランドの)暑さに負けない様に大音量でこの音楽のビートに身を任せてみてはいかがでしょうか?もしくは日本での寒さにうんざりしてる時も、これを聞けば体の芯からジャマイカの熱気に暖められるかも。

それではまた次回。

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